バブルエリアは戸立建てに割安感 「投資家」不在の市場

2017.04.10

マンション高騰で戸建ての方が手が届きやすいという妙な現象が起きている
マンション高騰で戸建ての方が手が届きやすいという妙な現象が起きている【拡大】

 先日、日本で最大級の不動産ポータルサイトのスタッフと話す機会があった。

 彼らが言うには、物件数ではすでに新築戸建てが新築マンションを上回っているという。確認してみると驚くなかれ、東京エリアでは物件数で10倍以上も戸建ての方が多かった。

 ただ、戸数では依然マンションの方が上回っていると思われる。戸建ては最小1棟単位で開発を行えるが、マンションの場合は20戸未満がほとんどない。多いと1物件で1000戸を超える。

 東京エリアの中古マンションと中古戸建てを比較すると、前者が後者の4倍以上。やはり、戸数ではマンションの方が多そうだ。

 戸建住宅は、マンションとは顕著に異なる市場が形成されている。

 まず、自分もしくは家族が「住む」以外の目的ではほとんど購入されない。実需以外はほぼないのだ。

 マンションは値上がりや相続税対策、あるいは賃貸運用目的で購入されることも多い。特に東京の都心で買われるマンションの何割かは、「住む」以外の目的だと推定できる。

 したがって、マンション市場は投資家の思惑に左右されやすい。近い将来値上がりしそうだと考える投資家は、市場が上向きかけるとどんどん買い増していく。それがバブルを生み出す一因でもある。

 戸建てについてはほぼ実需なので、割合健全な市場価格が形成され、それは都心においても同様である。

 だから、現状の局地バブルエリア内では、単純に床面積割合の価格を比較すると戸建ての方がマンションよりも安かったりする。何とも不可思議な現象だが、それだけマンションの価格が不自然に高騰してしまった、と解釈することができる。

 木造一戸建てとマンションでは、居住環境がかなり違うため、基本的に競合することはない。

 しかし、今のようにマンションの価格が不健全に高くなってしまった局地バブルエリア内では、市場の「マンション離れ」が起こっても不思議ではない。

 戸建ての場合、開発するにはまとまった土地を必要とせず、最低20坪くらいで、「ミニ戸建」3階建てを造れる。そういう土地は、ミニ戸建の開発業者以外は手を出さないので、不自然に土地価格が高騰することもない。

 木造一戸建ては、減価償却が22年。マンションの半分以下だ。不動産としての資産価値は築25年でほぼゼロと見なされるが、現実には築30年でも40年でも、快適に暮らせる物件は多い。メンテナンスも自分たちの都合や予算に合わせてできる。管理についてのランニングコストも発生しない。

 ただし、木造一戸建ての場合は、冬が寒い。断熱性が劣るので常に暖房が必要になる。ゴミは決まった時間までに自分で出さなければならない。この2つの不便さに耐えられるのなら、戸建ても選択肢に入る。

 ■榊淳司(さかき・あつし)住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンション格差」(講談社現代新書)など多数。

 

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