日本企業のM&Aの欠陥 東芝、日本郵政…日本的「遠慮」は裏目に出る場合も少なくない (2/2ページ)

2017.04.27

巨額損失計上と赤字転落について説明する日本郵政の長門正貢社長=25日午後、東京・霞が関
巨額損失計上と赤字転落について説明する日本郵政の長門正貢社長=25日午後、東京・霞が関【拡大】

 特に、買い手側が潜在的に複数いる場合、最高値で買おうとする買収者が買収合戦の勝者となるが、この勝者は、「他社が買いたいと思う値段よりも高い値段」で対象企業を買うことになるので、市場で評価される価格よりも高い価格で買うことになる場合が多く、いわば余計なプレミアム価格を支払う。これは、「勝者の呪い」と呼ばれる現象だ。そもそも、企業買収とは儲かりにくいものであることが世間の経済常識なのだ。

 例えば、銀行が自分と似た銀行を買うようなケースでは、重複する支店を廃止するなどの単純なリストラによるコストカットで現実的に利益を作ることができる。しかし、別の地域の会社や、別の種類のビジネスを買収した場合、買った会社をうまく経営できないと、買値に見合うような価値を実現することは難しい。

 また、日本企業による海外企業の買収では、買収相手の既存の経営体制をそのまま維持する場合が多いが、買収された企業の経営陣の保身がしばしば経営的な停滞を生む。日本的「遠慮」は裏目に出る場合が少なくない。

 数年の任期のうちに実績を上げたい日本企業のサラリーマン社長にとって、連結の売り上げや利益が急増する企業買収は魅力的なオプションだが、そもそもうまくいきにくいものであることを覚えておきたい。(経済評論家・山崎元)

 

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