新企画をスタートさせた当欄。次回から〈展開編〉を始めるが、その前提として、最新の情報からシニア社会の現状を把握してみよう。
■シニアは“枯れた世代”か?
国立社会保障・人口問題研究所は先月、最新の人口推計を発表した。それによると、2015年に1億2709万人の日本の総人口は50年後の65年に8808万人に減少、総人口に占める65歳以上の割合も38・4%(同26・6%)に上昇するという。
つまり、今後50年間、人口は減少しても、シニア世代の割合は高まり続けるということだ。シニア層は消費者層としても生産者層としても、今後ますます重要な世代として位置づけられるというわけだ。
シニアを「高齢者」とだけみなし、70代以降の人たちを“枯れた”イメージだけでみてしまっては、今後の日本社会に対応できないだろう。当欄が主催したシニア関連企業との「懇談会」でも、その点がクローズアップされた。健康寿命も伸びつつある今、さまざまな形で社会に影響を与えるシニアは、“期待される世代”なのだ。
■「第2世代高齢者」への取り組み
そうしたシニア世代の中に最近、「第2世代高齢者」と呼ばれるグループが登場している。これは博報堂・生活総合研究所が過去40年間にわたる調査結果を基に提唱したものだ。