急上昇のジャストシステム、どこまで噴き上がる!?

2012.12.18

 ワープロソフトや日本語入力システムで知られる『ジャストシステム』(ジャスダック・4686)の株価が噴き上げている。

 相場全体が上昇に転換したのは11月14日、野田佳彦首相から衆院解散発言が飛び出した日。以来、ほとんどの銘柄が上昇しており、日経平均ではこの間に12%ほど上昇した。そしてジャストシステムはこの期間に99%の上昇と、全銘柄の中でも際立った上昇率となっている(13日時点)。

 徳島に本社を置く同社は、1979年の創業でIT企業としては古株にあたる。同社株が上場来最高値を出したのは2005年末。瞬時であったが、最高4190円まで舞い上がった。

 しかし、この時は相場の地合いが良すぎたためと思われ、当時の同社売り上げは伸び悩み、ほとんどの期で営業赤字が続いていた。以後、同社株価はリーマン・ショック直後に93円まで大暴落した。当時の業績は直近12期中、11期が営業赤字と散々だった。

 同社が一変したのは09年、キーエンス社と資本および業務提携を行ったことがきっかけと推測する。突如、同社の大株主にキーエンスが現れると(43・9%保有)、不採算部門が縮小され、950人を超えていた従業員は、前期末に544人まで減った。

 ところが、従業員一人当たりの売上高は、10年よりぐんぐんと伸び上がってきており、かなり筋肉質な会社に生まれ変わったように見える。

 業績も好調だ。10年以降、3期連続営業黒字で、直近5四半期では、上場以来の最高利益を連続更新中。経営効率を示す重要な指標であるROE(自己資本利益率)は昨年、12%に達した。日本企業としては高い。

 チャート的には、先月後半に節目であった268円を抜けた頃から勢いが加速し、以降4週連続大幅上昇で、13日終値時点で434円となった。

 しかし、最高値をつけた05年末の高値に比べれば、まだ9割ほど安い。内容的には今の方が業績がはるかに良く、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの株価倍率指標で見ても割高感はない。

 同社は、来春に電子書籍作成に対応した新たな日本語ワープロを発売する予定。アマゾンの電子端末「キンドル」上陸で、個人の電子出版をサポートするツールとして注目されそうだ。

 短期的には、過熱している株価に警戒も必要か。しかし、十分落ち着いた頃を見計い、一休み後の一段高上昇を狙ってみるのも、面白いのではないか。(株式アナリスト・松井宗則)

 

注目情報(PR)