誤解されがちだが、三重県熊野市には世界遺産に指定された熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の3社と那智山青岸渡寺の1寺)はない。これは和歌山県にあるのだが、熊野市の観光関係者によると、よく問い合わせがくるという。
熊野三山の問い合わせについては、和歌山県の観光課や協会を紹介しているそうだが、熊野市には熊野三山へ詣でるための熊野古道があり、コケむした風情のある石畳で有名な松本峠を抜ける道が歩ける。また、熊野三山ほどの知名度はないが、世界遺産として鬼ケ城、花の窟神社、獅子岩、七里御浜があり、鬼ヶ城へは鬼ヶ城センターという休憩施設から遊歩道が伸びている。熊野三山について問い合わせてきた人には、そうした熊野市の魅力を伝え、集客を図っているという。
しかし、同市には伊勢志摩と南紀白浜という大規模な観光地に挟まれた通過型の観光地という宿命があり、関係者が手を尽くしても観光客の滞在時間が短く、経済効果もあまり期待できなかった。
そこで発想を転換。スポーツ合宿・スポーツ交流地として売り込めば選手や観客を呼び込め、しかも滞在時間を延ばせると考えた。東紀州地域の温暖な気候もプラスに働く。
ソフトボールや自転車などいろいろなスポーツを対象としているが、目玉イベントとしては毎年11月、全国の高校野球の強豪校を招き「練習試合in熊野」を開催している。昨年は山形中央高校や前橋育英高校などが参加した。
紀勢自動車道と熊野尾鷲道路がほぼ完成し、名古屋方面からの交通の便が劇的に改善されたことも追い風となって、「練習試合−」開催時の宿泊者数と参加校数は2012年から14年の間に約8割増えたという。
早摘み銘柄は観光客増加の恩恵を最も受ける三重交通グループホールディングス(3232)をおすすめする。 (山本信幸)




