今週の覆面株プロは、「証券業界随一の地獄耳」と定評のある大手投資情報会社のS氏です。3月相場で、S氏の地獄耳には、どんな3銘柄が聞こえてきているのか。
−−これから続く、金融ビッグイベントにマーケット関係者はかなり期待しているようです
「10日にECB(欧州中央銀行)理事会、週明けの14〜15日に日銀金融政策決定会合、15〜16日に米FOMC(連邦公開市場委員会)が開催予定です。経済リスク軽減につながる具体的な施策や要人発言を期待する心情は理解できます。米FRB(連邦準備制度理事会)のイエレン議長が利上げペースを緩やかにするだろうという期待が特に強いのでしょうが、FOMCで期待に反する内容の発言が出た場合の失望売りには注意しておくべきです」
「一方で、国内企業の多くが3月期末を迎え、その決算内容が明らかになってくるのは4月下旬から。為替動向がやや円安に振れたとしても、輸出関連企業はまだ本気で買いにくい相場ですが、内需系業種の特に建設株は業績良好な内容で仕上がりそうです。いま、打診買いを入れておけば、のちのち大きな利益が手に入る可能性がありそうです」
−−では、建設株に打診買いを入れて儲けが期待できる本命株は
「建設業界最大手の一社である『大林組』(東1・1802)です。建設株の中で、特に同社に注目する理由は、公共工事に強く土木事業の粗利益率が大幅に改善しているから。今3月期の業績上方修正期待が高まっており、大手証券も同社の投資判断を最上位に位置づけています。現在、株価は1100円前後へ切り返してきたところですが、目標株価は1500円台と想定しています」
−−その対抗株は
「ジーンズカジュアルチェーン大手の『ライトオン』(東1・7445)で勝負する手があります。ファミリー向け定番商品が好調で月次売り上げが継続して向上中です。テレビCMを再開したことも好影響をもたらした模様です。同社は8月決算企業で2016年8月期上半期業績が今月下旬に発表予定です。かなり期待できる内容に仕上がりそうです」
−−大穴の株は
「ネットでウェブ会議や遠隔医療などのサービスを提供する『ブイキューブ』(東1・3681)です。同社は昨年10月、ドローンなどのロボットを活用する子会社を設立。今後のビジネスの広がりが大いに期待されています」
先週の覆面株プロ、株式アナリストのR氏が挙げた3銘柄では、『ジグソー』と『サイバネットシステム』が小気味いい値上がりを見せてくれました。 (ネットマネー編集長・窪田広実)