「躁鬱気質」の市場から学ぶ 感情に振り回されずミスター・マーケット利用を

2016.11.17

 「ミスター・マーケット? なんじゃそれは」と思う読者も多いかもしれない。日本風に言えば「むじん君」ならぬ「マーケット君」である。

 実際、市場というのは、人間の集団であり、まるで人間であるかのように動く。「マーケット君」は極度の躁うつ病である。例えば、リーマン・ショックのような株式の大幅下落があると、まるでこの世の終わりがやってくるかのように極度に落ち込む(うつ状態)。そして、「この世が終わりになるのならば、こんなもの持っていても仕方がない」とばかりに、多額の費用をかけて購入してきた家屋敷や家財道具を二束三文で売り払ってしまう。

 ところが家屋敷を売り払って、宿無しになってしばらくすると、突然躁状態がやってくる。世の中のすべてがばら色に見え、毎日ウキウキ過ごす。もちろん、将来の日本や世界の見通しも輝かしいものになり、二束三文で売り払った家財道具や家屋敷をその数十倍・数百倍もの価格で買い戻す。

 「マーケット君」=市場の大部分の投資家というのは、このような状態を繰り返して財産を失うのだが、バフェットが指摘するのは「賢い投資家はマーケット君を利用しろ」ということである。

 読者も簡単に想像がつくように、マーケット君が二束三文で財産を売り払っているときに、資産を底値で買い集め、逆にマーケット君が「バラ色」のときにすべての資産を高値で売り付ければいい。しかし、冷静に考えればこんなに簡単なことを、実行できない投資家が大部分だ。それはなぜか。バフェットや私を含めたすべての投資家が、心のどこかに〈躁鬱気質〉を持っていて、それを完全になくすことはできないからだ。

 だから、バフェットは自分自身の気質をかき乱すニューヨークなどのマーケット情報から隔離された、ネブラスカ州オマハの片田舎で静かに取引をしている。毎日市場など見る必要はない。あふれる情報で症状が悪化するだけである。 (国際投資アナリスト・大原浩) =敬称略

 ■今週の格言「賢い投資家は感情に振り回されず、ミスター・マーケットを利用する」

 

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