「奉仕の精神」と皮肉で日計り投資家を大歓迎 自らが損をして長期投資家を儲けさせてくれる貴重な存在

2017.03.09

 ■今週の格言 「デイトレーダー養成講座に寄付をしたいくらいだ」

 バフェットは、「シケモク投資家」という言葉をよく使う。若い世代のために解説すると、シケモクとは吸い終わって道端などに捨てられたタバコのことを指す俗語だ。戦後の日本が貧しい時期には、その吸い殻を集めて「最後の一服」を楽しむ路上生活者などがたくさんいた。1929年の大恐慌の翌年に生まれたバフェットも、米国経済が長期にわたって落ち込む中、シケモクを拾い集めて一服を楽しむ人たちをよく目にしたに違いない。

 要するに、一本のたばこに火をつけて根元の少し手前くらいまでゆったりとほとんどを吸うのが長期投資家。その長期投資家が吸い残した、フィルター近くのごくわずかのたばこを、血眼になって拾い集めて吸うのが「シケモク投資家」である。

 日本の相場の格言で「相場の頭と尻尾は猫にくれてやれ」というものがあるが、猫が食べる頭と尻尾を専門に取引しているのだから、効率が良いはずがない。しかし、バフェットはこのようなシケモク投資家(日計り投資家=デイ・トレーダー)を決して否定していない。むしろ大歓迎しているのである。

 そもそも、バフェットは「秘密主義者」であって、「どの企業に投資するのか」「いつ投資するのか」を公言することはない。ある年の株主総会で株主から「今後の投資先」に関する質問が出たときには、こう答えている。「ご質問にお答えしてもかまわないのですが、もしそうなると『秘密情報』を知ったあなたの首を絞めて殺さなければなりません!」とジョークを交えて答えている。要するに、具体的な投資(予定)先は絶対に教えないということだ。

 逆に、「デイトレーダー(シケモク投資家)の方々に会ったら丁寧にお辞儀をしてお礼を言いましょう。彼らは自らが損をして長期投資家を儲けさせてくれる人々です。なんと素晴らしい奉仕の精神を持った人々でしょう」と皮肉っている。

 投資の啓蒙(けいもう)活動は別にして、バフェットの投資にとっては、自分が損してまで彼を儲けさせてくれる日雇い投資家は貴重な存在だ。 (国際投資アナリスト・大原浩) =敬称略

 

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