4月は海外から東京市場に資金が流入する傾向が強い。東証の集計によると、海外投資家は今世紀に入って昨年まで16年連続で4月に日本株を買い越しており、今年は連続買い越し記録を17年に伸ばすか注目される。
バブル崩壊の始まった1990年以降、4月に海外投資家(当時の東証集計区分は「外国人投資家」)が売り越したのは98年と2000年の2回だけ。25勝2敗と、驚異的な勝率である。
4月に海外勢が強気に傾いてきたのは、米国株の上昇による部分が大きい。4月のダウ工業株30種平均は2006年から11年連続で上昇している。世界最大の時価総額を持つ米国株市場で利益を出した欧米や中東の投資家が、リスクを取って日本株に資金を振り向けてきたのが実態で、海外マネーが今年も流入するかどうかは、米国株の動き次第のようだ。
肝心の米国株は昨秋からのトランプ相場が一段落し、小休止場面に入っている。「米国株の利益確定売りで得た資金が東京市場に向かう」とは、大手証券の営業トークだ。
【2017年4月3日発行紙面から】