インターネット証券の業績を左右するのは顧客に提供する売買システム。ネット大手のマネックス証券が自社開発の高機能売買ツールを稼働したことで、業界地図が塗り替わる可能性がある。
ネット証券の売買システムは自社開発品と他社製の2つがある。松井証券やカブドットコム証券は自社開発路線を歩んできたが、マネックスも自社型に転じた。
同社の武器は米国子会社が開発した専用ブラウザ「トレードステーション」。日本株対応版の宣伝に力を入れた結果、「3月から(大量に売買する)スーパーアクティブ層が入ってきた」(松本大社長)という。
ネット証券の収益には、大量売買で手数料を落としてくれる数百人程度の超大口客の存在が大きく影響する。限られた超大口客をマネックスが新たに獲得したとすれば、他社からの乗り換えの公算が大きい。
このため、同業他社が巻き返しに出るのは必至だ。高機能売買ツールの元祖「マーケットスピード」で知られる楽天証券などライバル社の対抗措置が注目される。
【2017年5月10日発行紙面から】