トランプ米大統領がロシアとの癒着を理由に弾劾される可能性が浮上し、株式市場で不安視されている。盗聴事件に端を発するウォーターゲート事件の連想からだ。
ウォーターゲート事件は1972年に発覚し、2年後にニクソン米大統領が辞任に追い込まれた。この間、米ダウは1000ドル台から600ドル台まで急落した。トランプ氏が放逐されれば、米国株が急落し、東京市場も大荒れは避けられなさそうだ。
ただ、大手証券のストラテジストらは過度な悲観論にクギを刺している。野村証券は投資家向けリポートで、ウォーターゲート事件当時は第4次中東戦争やベトナム戦争があり、現在と状況が大きく違うことを強調。現在、与党・共和党の支持率が高いことを踏まえ、弾劾裁判が実現するリスクは小さいとした。
一方、SMBC日興証券も19日発行のリポートで、共和党の高支持率を挙げて「弾劾成立へのハードルは相応に高い」と指摘。弾劾が成立しなければ、米国株のさらなる下落は「10%未満にとどまるイメージだろう」と予想する。
【2017年5月26日発行紙面から】