【壇蜜のもっとハァハァしてる?】夏の思い出…久々に味わった非日常的瞬間 また少し大人になった

気がつけば夏も終わりましたね…

★其ノ弐百拾弐 

 9月を迎え、陽が少し短くなり、涼しさを覚えるようになりました。

 外を歩くと、まだセミがミンミンと鳴いていますが、それに混じってカナカナカナ…というヒグラシの声も聴こえ、夜になればリーンリーンとスズムシやコオロギたちの求愛コンサート。秋が来てるなぁと感じます。

 秋の気配を察知すると決まって思うことは、「今年の夏はどんな風だったっけ…」ということです。夏だからといって開放的になったり、露出の高い服を着てはしゃいだりする年でもないのですが、暑さにかまけて何か一つでも陽気なことをしたかなと振り返ってみるのです。

 ここ数年は振り返ったところで、仕事に移動にサウナにスーパーに墓参りに…という日常に密着した思い出しかなかったのですが、今年はちょっと非日常が味わえた瞬間がありました。

 昔の仕事仲間ととある花火大会に行ってきたのです。普段なら花火大会は「混むし、場所取りも大変そうだし…」というものぐさな理由でなかなか行ってみようとはならないのですが、今年は仲間が「あまり混まない場所を知っている」と提言してくれたのと、何となく夜風に吹かれて綺麗な花火を眺めてみたい気持ちになったので、お誘いに乗ることにしました。

 会場から歩いて5分ほどの公園でビニールシートを敷き、コンビニで買ってきた軽食を並べて皆でゆっくりと語りながら花火を眺め…、時々だけどこうやって集まれるのはうれしいねなどと笑い合う…。

 そんなつもりだったのですが、あまり混まない場所という穴場を選びすぎたせいか、花火が公園の木々に遮られて半分しか拝めなかったのです。穴場の案内人は意気消沈していましたが、私たちにはかえってその「半分の花火」の距離感や盛り上がり具合が近況報告の場所にちょうどよく、花火と再会の宴とを味わえたため、「いや、むしろこれでよかったんだよ」「そうそう、半分くらいが良かったんだって」と口々に案内人を慰めがら有意義な時間を過ごしていたのでした。

 1時間半あまりの夏の非日常、いや、半非日常を経験し、また少し大人になったのでした。いや、もう充分大人ですね。さあ秋が来ますよ。

 ■壇蜜(だん・みつ) 1980年12月3日生まれ、秋田県横手市出身。本名・齋藤支靜加。158センチ、B85・W60・H89。昭和女子大卒。本連載などをまとめたエッセー集「壇蜜歳時記」(大和書房)が好評発売中。日本テレビ系「ウチの夫は仕事ができない」に主人公の上司役で出演中。映画「関ケ原」(公開中)では尼僧名善役で出演。

 NHKラジオ第2「高校講座 保健体育」(水曜午後8時10分)、BS日テレ「久米書店midnight~夜の本の虫~」(金曜午後11時半)、文化放送「壇蜜の耳蜜」(月曜午後7時半)に出演している。

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