米倉涼子、代表作は攻めでなく意外や“受け身”? 「シカゴ」の経験で舞台に目覚める

米倉涼子(写真/teru)

 今年もまた「ドクターX~大門未知子~」(テレビ朝日系)が帰ってくる。何度見ても、未知子の決めゼリフ「私、失敗しないので」にはカタルシスを感じるが、演じる本人は以前と何ら変わることなくこの役を演じるだけだと言う。

 「撮影に入って、もう3週間ほど。何だかセリフが覚えられなくて困っています。でも、『前はこんなふうだったかな…』と無理に考えるのも、未知子に関しては違う気がして。そもそも視聴者の皆さんが、今回も『私、失敗しないので』を楽しんでくださるのか、心配です」

 未知子はどんなに苦しい立場に追い込まれようと、決して諦めることのない女性。しかし、それも彼女を取り巻く一癖も二癖もある人物たちがいるからこそと考えている。

 「未知子は始まったときからまったく変化のない人物で、毎回周りにいる濃いキャラクターが“猛威”を振るってくださいます。それを受けて、未知子はいろいろな行動をしているだけ。話が盛り上がるのも、共演者の皆さんが魅力的なキャラクターを演じてくださるからで、“人任せのドクターX”じゃないかと思うほどです」

 新シリーズの放送に先駆け、9月からAmazonプライムビデオにて、海外200以上の国や地域で全シリーズの配信が始まった。それはやはり、未知子が魅力的であり、さらには演じる彼女自身が人を引き付けるからにほかならない。

 「ありがたいことですし、海外のお友達に『見てね』と伝えられるのがうれしいです。どんな人が見てくださるんでしょう? 今回のシリーズも見てくださる皆さんに、残念な作品といわれないものにしたいですね」

 もともと「ドクターX」は東アジアで放送された実績がある。この夏、異国でのドラマ人気や、自身の知名度を実感できる機会があった。7月に米国・ニューヨークのブロードウェーで主演ミュージカル「シカゴ」の再演が行われた。そこでアジア各国から多くの観客が訪れたという。

 「台湾の方は『ドクターX』を熱心にごらんいただいたようです。今回の舞台も台湾からだけでなく、中国からも舞台を見に来てくだる方がいました。1週間毎日という方や、連日お花を届けてくださる方も。英語のお手紙も多かったし、英語と日本語が混ざっているものもいただきました。私はファンクラブもないですし、SNSで何かを発信したりもしていないので、今回の舞台でたくさんの方と触れ合えたことは、とてもいい経験になりました。『これまで以上にしっかりやらないと』と気が引き締まりました」

 映像の世界のみならず、舞台でも着実に実績を上げてきた。その上で「いまもミュージカルにチャレンジしたい」と目を輝かせる。今回の「シカゴ」公演が、それだけのやりがいをもたらしたようだ。

 「『シカゴ』は最高でした!前回(2012年)のブロードウェー公演は、ただただアップアップで。『とにかくやらなきゃ、やり切らなきゃ』ということで頭がいっぱいだったんです。英語のセリフに本当に苦労したし、ブロードウェーの舞台がどんな場所なのかも分かりませんでした。

 今回は前回の経験がある分、どんな芝居なのか、どんな振りつけなのかあらかじめ分かっています。まず舞台に臨む一段階目を前回以上のレベルで、という気持ちでいましたし、いざ舞台が始まったら、めちゃくちゃ楽しかったです。前回より公演回数も多くて、1つの役もアンサンブルで、複数の人が演じたんです。同じ役でもメンバーによって雰囲気が全然変わります。言葉の感じとか、間の取り方とか。それも楽しかったし、東京での凱旋(がいせん)公演では、1人を除いて、キャストが全員変わりました。そこでまた舞台の雰囲気が変わって。前回の舞台との違いや、今回も公演ごとの違いを味わえて、とにかく楽しかったです」

 今後、舞台ではどんなことに挑戦したいのか尋ねると、こちらが思わず期待してしまうようなことを聞かせてくれた。その言葉もまた彼女らしい。

 「いまはミュージカルのことで頭がいっぱいですけど…。でも『SISカンパニー』(舞台製作会社・芸能プロダクション)の舞台にはいつか出てみたいです。きっと、そうとう絞られるでしょうね。『ドクターX』のキャストって、SISカンパニーに所属している方も多くて、休憩時間に舞台のことを伺ったり、みんなで踊ったりしているです。そんなとき、『ドクターXの舞台を(六本木の)EXシアターでやりたいねって話をするんです」(zakzak編集部)

■プロフィル

米倉涼子(よねくら・りょうこ) 1975年8月1日生まれ。92年「第6回全日本国民的美少女コンテスト」審査員特別賞受賞。モデルとして活躍後、女優に転身。「松本清張 黒革の手帖」(04年テレビ朝日系)が大ヒット。さらに「ドクターX」シリーズの高視聴率により“視聴率女王”との呼び名も。