【壇蜜のもっとハァハァしてる?】欲望引き出す癒やしの香り 自分自身にあきれた

いやし、って何だろう

★其ノ弐百拾参

 最近、「いやし」について考えます。「卑し」ではなく、「癒やし」のほうです。「癒やされたい」と言う方も多く、癒やされるモノや場所も人それぞれ。自分にとっての癒やしが、他者にはそうではない時もあったりして…。「いやし、って何だろう」と疑問になったのです。

 癒やし。意味は「苦しみや悲しみ、疲れなどを和らげるもの」「感情を穏やかにして、和ませるもの」「安心感を与えるモノや行為」など。

 いろいろな解釈がありますが、今までの状態よりも落ち着くための存在であることは共通しているように思います。モノや行為ですから、かわいい小動物の動画(モノ)を見ることも、足裏マッサージを受ける(行為)ことも個人差はあれど癒やしに繋がるようです。

 ただ、動物が苦手な方もいらっしゃるでしょうし、マッサージがくすぐったくてちょっと、という方も一定数いらっしゃいます。

 実は「癒やし」を共有するのは難しいのかなとも思います。私も以前ハツカネズミの大群の動画を見たときは、ややゾワッとしてしまいました。数匹ならかわいいのですが…。

 以前、「これ、私、好きなんですよ。いい匂いで気持ちがちょっと癒やされますよ」とアロマキャンドルをプレゼントしてもらったことがあります。火がついていない時は、バニラとお花のような甘い香りがしてましたから、これはホッとするかもと期待しておりました。

 自宅に帰り、リビングのテーブルにキャンドルを乗せていざ点火。確かにホッとはしたのですが、私のなかにそれだけでは済まされない新たな欲求が生まれてしまったのです。

 バニラの香り漂う部屋で、ただ座ってぼんやりしていたわけですから、思考が研ぎ澄まされ過ぎて、急に「アイスクリームが食べたい!!」という気持ちが沸き上がってきてしまったのです。

 癒やしの空間でまさかの食欲が生まれてしまうとは何てことだと、自分自身にあきれてしまいました。

 が、バニラ=アイスクリームの思考から逃れられず、結局コンビニへ向かったのでした。

 アイスクリームのカップを片手にキャンドルをフッと消し、バニラの香りも味もどっちも癒やしだと開き直りながらアイスクリームの蓋を開けたのでした。

 ■壇蜜(だん・みつ) 1980年12月3日生まれ、秋田県横手市出身。本名・齋藤支靜加。158センチ、B85・W60・H89。昭和女子大卒。2日からテレビ埼玉「板尾壇(談)」がスタート。本連載などをまとめたエッセー集「壇蜜歳時記」(大和書房)が好評発売中。

 NHKラジオ第2「高校講座 保健体育」(水曜午後8時10分)、文化放送「壇蜜の耳蜜」(月曜午後7時半)に出演している。