記事詳細

【フリーアナウンサー近藤淳子のまもなく本番です】たった5秒、されど5秒

 この春、日本酒特別番組の酒の旅人ナビゲーターとして、福岡、佐賀、新潟、神奈川、兵庫の5県の酒造を巡る取材撮影をさせていただきました。

 約1時間の放送枠で各蔵の歴史や酒造りの行程、蔵元の想いなどを紹介する番組。私は酒の旅人として試飲させていただいたのですが、日本酒の構造や銘柄の由来などの説明は抜きに、試飲の感想コメントのみですと、本番で放送されたのは各蔵5秒くらいでしょうか。日本酒を飲んでいるときの表情や、蔵元さんにお話しを伺っている映像などはカウントしていません。

 例えば、香りだけ5秒コメントすると「この新酒は、すっきり爽快な香りですね」、味についての5秒は「山田錦という酒米の旨味をしっかり感じられます」、余韻についての5秒は「飲み込んだ後、甘みの余韻が続きます」など。

 センテンスが長いと伝える方も息継ぎが出来ず、ダラダラしているので受け手にも伝わりにくくなってしまいます。一文一文に分け、さらに一文一文の間を一瞬でも取っておけば、撮影後、制作者達が本番で放送したいコメントを切り取りやすいと思います。

 また、香り、味、余韻を全部この通りにお伝えすると単純に15秒かかってしまいます。5秒にまとめると「爽快な香りとお米の旨味がしっかり。余韻も続きます」となり、シンプルですが、伝えたい事はつまっています。

 コラム読者の皆さんも何か大切な事を伝えなければいけなくて時間に制限があるとき、頭の中で5秒を意識されてみてはいかがでしょうか? 社会人のビジネストークや、会議プレゼンなどで、伝えたいテーマを冒頭5秒でまずは説明してみませんか。

 たった5秒、されど5秒です。

■近藤淳子(こんどう・じゅんこ) 1975年1月30日生まれ、愛媛県出身。報道キャスター、情報番組レポーター、ドラマ、CM出演、ラジオパーソナリティーとして活躍中のホリプロアナウンサー(元TBS系北陸放送)。また、日本酒きき酒師の資格を持ち、日本酒コンテスト審査員や日本酒コラム執筆連載、コンテンツ番組「日本酒記」やライフスタイル音声マガジン「SELECTORS」などで日本酒の魅力を伝える。全国のお酒イベントでも多数司会を勤めている。2009年から主宰する女性限定の「ぽん女会」で、蔵元と日本酒とお料理を楽しむ空間を企画プロデュース。多くのメディア媒体がその活動を掲載。公式ブログ「あ・い・ろ・ぐ」。一児の母。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう