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【大鶴義丹 それってOUTだぜ!】李麗仙という強烈な個性と対峙し男優は才能開花 2、3日でいなくなる輩も (1/2ページ)

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 父、唐十郎と母、李麗仙が主宰した劇団「状況劇場」は1970年代から80年代初めにかけ、故・根津甚八さんや小林薫さんら現在もメディアで活躍している骨太な男優や演出家を何人も輩出した。

 さかのぼって劇作家の山崎哲さんや舞踏家であり俳優の麿赤児さん、人形作家の四谷シモンさん、芸術家の篠原勝之さんらも初期のメンバーである。

 それは状況劇団がアングラ劇団としてのカウンターカルチャー的な側面だけでなく、優秀な男優や演劇人を発掘するアクターズスクールとしての側面もあったことを証明している。

 メディアを席巻する女優が出なかったという疑問もある。だがそれは劇団の看板女優が母で固定されているシステム上、新たな女優が発掘されにくかったと思われる。反対に李麗仙という強烈な個性と対峙する機会に恵まれる男優はその才能を開花させるチャンスが多かったのかもしれない。

 15歳までは自宅と稽古場が同じ場所という希有な環境から、私の前を演劇を志す多くの昭和アウトサイダーが通り過ぎた。2、3日でいなくなる輩もいれば、華やかなメディアの世界に迎えられた人もいた。

 当時の状況劇場は年に2回も新作を上演し、大都市公演から地方公演まで行うハードスケジュール。それだけ濃密な時間を体験する劇団はないに等しい。それ故か、劇団員の入れ替わりも激しく、数年に一度は主要メンバーが退団することも多かった。

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