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【ぴいぷる】活字文化消すな!出版不況に活路開く 馳星周さん、世に問う10年目のノワール小説 『夜光虫』続編の『暗手』刊行 (1/3ページ)

 1996年の衝撃的な作家デビュー以来、ノワール小説(人間心理の闇をついた犯罪小説)の旗手としてメディアに登場。金髪、サングラスがトレードマークだった。それが頭にこびりついているから、取材先で一緒のエレベーターに乗りながら気づくのが遅れた。

 「昨年の暮れに黒に戻しました。50歳を過ぎて頭皮をいたわらないと、というのもあるけど、やはり金髪に染めるのに2時間かかることがバカバカしくなったのが一番ですね」

 しかし、サングラスはそのまま。インタビューの語り口も相変わらず軽快だ。

 新著『暗手』は98年に発表した『夜光虫』の続編。台湾のプロ野球賭博をテーマにした前作から19年ぶりの今作は、ヨーロッパのサッカー賭博にからむ暗黒社会の死闘を描いた。

 「僕は滅多にシリーズものとか書かないんですけど、たまたま編集者から、新作にサッカーはどうかという話が出ました。何年も前からヨーロッパではサッカーの八百長が問題になっていて、そこに『夜光虫』の主人公(加倉昭彦)をもってくれば書けるんじゃないかと思ったのがきっかけです」

 もともとサッカー観戦記も著すほどのサッカーフリーク。だがマフィアに取材できるはずもなく、サッカー賭博を扱ったノンフィクションやネット情報で資料収集した。

 「そうした情報を膨らませて話を作りました。ヨーロッパ人、中国人だろうと八百長をやる仕組みは変わらないだろうと思いました。それに、中国人が大金を掴んだ頃から(賭博の)規模がどんどん大きくなった。額が大きくなると個人の感情なんか完全に踏み潰されていきます」

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