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【知って得する名画トリビア】匿名公募で「一番ましな」脚本、実は大御所のものだった 『人間の証明』原作者・森村誠一氏も出演 (1/2ページ)

★邦画編(4)

 〈あらすじ〉

 森村誠一の770万部を売り上げたベストセラーミステリーだ。赤坂の高層ホテルのエレベーターで、胸にナイフが刺さったまま、黒人青年が死んだ。麹町署の棟居刑事(松田優作)は、その男、ジョニー・ヘイワード(ジョー山中)が残したダイイングメッセージ「ストウハ」「キスミー」という謎の言葉と残された西條八十の詩集を手掛かりに捜査を始める。

 1977年、角川春樹事務所製作。監督=佐藤純彌

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 そもそも原作者の森村誠一がこの作品を書くことになったきっかけがある。山登りが好きだった森村が大学生の頃、群馬県の霧積から浅間高原へハイキングしていた時、途中で開けた弁当の包み紙に、あの西條八十の「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね-」の詩が印刷されていて、その時の感動が忘れられなかったという。

 最初、本作の脚本は角川春樹が長谷川和彦に依頼した。しかし長谷川の態度が悪かったことが気に入らず、角川が却下。そこで仕方なく賞金500万円でプロアマ問わず、名前を伏せて公募することにしたのだ。

 その審査結果は当時の「キネマ旬報」に詳細が載った。その時の佐藤監督らによる審査員の評は「ろくなのがなかった」と散々。中でも「一番ましなもの」を当選としたが、後から、実はこの「一番まし」な脚本が大御所の松山善三のものだと明かされた。なんとも気まずい結果となったことは言うまでもない。

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