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【高須基仁 人たらしの極意】71回目のベンチャーズ来日を見た! “オリジナル”忠実に再現、青春が蘇る

 来日55周年になるベンチャーズの公演が3日、東京・中野サンプラザで開かれ、私は1階中央の客席にまぎれて見た。周りは団塊の世代だらけ。意識せずとも思わず自分の“老い”を感じる。そりゃそうだ。1962年以来ほぼ毎年、年によっては複数回の日本ツアーは71回目になるという。

 “オリジナル4”とよばれた初期メンバーはすでに舞台に無い。82歳になるギタリストのノーキー・エドワーズは体力の低下を理由に昨年が最後の来日となった。リーダーのドン・ウィルソンもその前年に日本ツアーを引退している。それでも、♪テケテケテケ…のフレーズが始まると私は魅入られた。

 「急がば廻れ」と訳された「ウォーク・ドント・ラン」は中学時代からのお気に入り。「10番街の殺人」「ダイヤモンドヘッド」「パイプライン」…目をつぶって聴き入ると青春が蘇る。

 メル・テイラーの息子で現ドラムスのリオン・テイラーは“若い”といっても61歳。今回のツアーに帯同していた79歳のギタリスト、ジェリー・マギーは8月、公演先の佐賀県武雄市で体調を崩して入院中だったが、オリジナルを忠実に再現するバンドの実力は、さすがであった。

 「高須、オレはベンチャーズでノーキー・エドワーズが弾く『キャラバン』のギターテクニックを必死になって覚えたんだよ」と明かしてくれたのは、今も現役のザ・ワイルドワンズ、鳥塚しげきだ。かくいう私もずいぶん昔に影響を受けてエレキを買っている。

 ベンチャーズの懐かしいフレーズを聴きながら、思わず勝海舟の名言を思い出した。《行いは俺のもの、批判は他人のもの。私の知れた事ではない》。人の目や評価を気にせず、我が道を存分に貫いてこその人生だ。いいコンサートでした。(出版プロデューサー)

 ■高須基仁の“百花繚乱”独り言HP=「高須基仁」で検索

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