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【没後10年 阿久悠】今も響く「時代の飢餓感をキャッチしろ」の言葉 時代が何を求めているのかを常に研究していないとダメ (1/2ページ)

 多くの言葉を残してきた昭和を代表する作詞家、阿久悠さん(享年70)。ピンク・レディーや岩崎宏美で仕事をともにした飯田久彦氏(76)は、その言葉を今も大切している。

 常に「時代」を大切にしていた阿久さん。よくこんな言葉を言われたという。

 〈曲作りは時代とのキャッチボールだ〉

 「大好きな野球に例えるのが阿久さんらしいけど、スタッフには『常に時代の飢餓感をキャッチしろ』と言っていましたね。時代が何を求めているのかを常に研究していないとダメだってね」

 そんな阿久さんの言葉で、飯田氏が若い世代に伝えたいと思っていることがある。

 「阿久さんはヘッドホンが広がった時代を憂いていたんです。歌が空気のように流れていた時代に対して、ヘッドホンは体の中に歌を注射しているようなものだと。外には出てこないのだと常々おっしゃっていました」

 かつて歌謡曲は30万枚売れたヒットなら、世の中の誰もが歌えたものだ。ヘッドホンが流行った時代、つまりウォークマンのような携帯型の再生機が一般的になったことで、歌が広がらなくなったというのだ。

 「結局、歌は聴く人によって広がっていく。アナログであり、ハードビジネスだと思います。ピンク・レディーのときのように、作り手側が原点に戻って、『してやったり』という気持ちになるような仕事をしないと、面白いものは生まれてこないかもしれませんね」

 そして今、阿久さんの残した未発表詞に、新たに曲をつけてよみがえらせるプロジェクトが進んでいる。

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