記事詳細

【中本裕己 エンタなう】情報公開、見える化…美名に隠れたSNS社会の恐怖描いた映画「ザ・サークル」

 フェイスブックで「いいね!」を欲しがる人を物乞いに例えたり、インスタグラムで自分を“盛る”人を「インスタ蠅」と揶揄したり。見栄っ張りはインターネットの世界でもバカにされ始めている。そんなSNS社会の恐怖を描いたリアルな近未来映画が「ザ・サークル」(公開中)だ。

 いま最もキュートな女優エマ・ワトソンと、どんな役でも成り切り度がハンパじゃないトム・ハンクスのW主演。エマが演じるのは、世界ナンバーワンのシェアを誇る超巨大SNS企業「サークル」の新入社員メイ。もとは水道会社で派遣社員として電話の苦情処理係をしていたが、先輩に引かれて転職。憧れの企業に入ったメイの喜びと戸惑いの表情が出色。

 トムが演じるカリスマ経営者ベイリーは、ユーザーのあらゆるデータを蓄積して全米に影響力を持つ。ある事件をきっかけに、メイはベイリーに認められて超小型カメラにより、自身の24時間を公開する新サービスのモデルとなる。あっという間に1000万人を超えるフォロワーを獲得する人気者となるが、恋人や両親との仲は…。

 衆人環視でプライバシーが無くなる恐怖を描いたジム・キャリー主演の「トゥルーマン・ショー」(1998年)をほうふつ。だが、この映画の結末はもっと切ない。「情報公開」や「見える化」という美名に隠れたネット社会の恐怖。「秘すれば花」の大切さを感じた。 (中本裕己)

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう

関連ニュース