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【BOOK】都会生活で挫折した人間が田舎でどう崩壊…不幸や不安を煽る想像上の格差描いた中山七里さん『ワルツを踊ろう』 (1/3ページ)

★中山七里さん『ワルツを踊ろう』幻冬舎1600円+税

 どの作品より「最狂・最悪」のどんでん返しをねらったと著者が告白する本作は、ヨハン・シュトラウス2世の名曲「美しき青きドナウ」をBGMに、都会と田舎、正気と狂気、善と悪が怒涛のワルツを奏でる。過酷な日々を生きる、現代人必読の問題作ミステリーが生まれ落ちた。(文・たからしげる 写真・佐藤徳昭)

 --作品ができた経緯と動機を聞かせてください

 「幻冬舎のPR誌に連載したんですが、最初は、人間が一線を越える瞬間を書いてほしいというオファーでした。いろいろと軋轢(あつれき)やストレスが溜まって、それをぽんと飛び越える。人間の内面のそこまでの蓄積を書けばいいかなと。そこで都会の会社員生活でもうまくいかなかった人間が、田舎の閉鎖的な場所に行ったとき内面はどのように崩壊していくかを描きました」

 --都会のよい点と悪い点は

 「いやないい方ですが、経済的なものさえ許せば、どんなものでも手に入るところでしょう。もう一つは、たとえば人と人との繋(つな)がりは希薄なのにそういう言い方はせず、調和のとれたやわらかい言い方に変える。ただし経済的に恵まれないと、暮らしがきつくなります。犯罪が多いというのはありますが、人間の数に比例しているだけでしょう。動機が単純な事件が多いかもしれません。凄惨な事件もありますが、そんなにどろっとした感じはしません」

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