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【酒井政利 時代のサカイ目】「日本作詞大賞」の舞台裏 喜多條忠氏が悲願の受賞、垣間見た黄金期の紅白歌合戦 (1/2ページ)

 第50回日本作詩大賞(テレビ東京)は久々に聞き応えがあった。

 審査委員長として、出演者たちの触発合戦を目の当たりにし、歌手の散らす火花、そのすごみや表現が小気味よく伝わってきた。

 氷川きよしが『男の絶唱』を歌いあげれば、三山ひろしが『男の流儀』、福田こうへいは『母ちゃんの浜唄』で負けじと追いかける。島津亜矢が『心』で迫り、伍代夏子が『肱川あらし』でほえ、大月みやこは『流氷の宿』でしのび泣く。後輩の市川由紀乃も先輩に負けじと『はぐれ花』を熱唱する。

 歌手たちが競い合って歌世界を演じるその熱気は圧巻で、この切磋琢磨(せっさたくま)こそが、歌唱味の深さを広げていく。これぞ昭和歌謡の展開で、歌芸を競った黄金期の紅白歌合戦を垣間見たようだった。

 楽曲は詩・曲・歌の三位一体で成り立っているが、詩にスポットを当てるこの賞の大賞は『肱川あらし』。作詩は喜多條忠。優秀作品賞は『流氷の宿』(岡田冨美子作詩)と『母ちゃんの浜唄』(さわだすずこ作詩)。

 初受賞となった喜多條氏。受賞曲は、今年2月に亡くなった船村徹氏の作曲で「船村先生が最後に書いてシングル盤にしてくださった作品。船村先生、ありがとうございました」と感無量の様子。

 伍代も「喜多條先生はいい世界観を描きながらも、ずっと大賞を取れなかった。今回は船村先生が喜多條先生を指名して作った作品でもあったので自分としても受賞はうれしい」と涙を流した。

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