記事詳細

【大鶴義丹 それってOUTだぜ!】社会の歪み象徴する「角界騒動」 変えられた昭和ルールの「恐怖」、中高年は明日はわが身と感じたはず (1/2ページ)

 今回の角界における大騒動。誰が悪いとか、誰に責任があるかということには、あまり興味がないのだが、どうしてこのような実生活に何の影響もないような出来事が、一国が揺れるほどの大山鳴動な事態になったのかという市民感情に興味がある。

 私の母なども、ワールドカップの決勝戦かのようにワイドショーにかじり付き、事の次第に興味津々である。しかし二十歳の娘は、この事件の内容さえ知らない雰囲気だ。極端な差異に、私はこの騒ぎが実質的な内容以上に、何か日本人中高年の琴線に触れる要素があるのだと気がついた。

 私なりに分析してみる。この騒動には、今の日本社会の歪みを象徴する一つの要素がある。それが、角界という日本文化の花形において起きたことこそが、炎上にガソリン投下という構図だろう。

 その要素というのは、もともと年功序列システムで成り立っていたはずの日本が大きく変わり始めていることへの、中高年世代の戸惑いだろう。その世代は、先輩や上司への態度が悪い新世代に対するアレルギー反応が極めて強いのだ。

 セクハラだの、パワハラだの時代は変わったと理屈では理解していても、自分たちは先輩や上司に従うことで人生を構築したという肉体的な記憶は消えないのだ。

 今回は角界での先輩後輩の上下関係から起きた暴力事件。中高年世代は偉い先輩たちに態度が悪かった後輩に対しては、明らかに否定的だ。暴力を振るったことは、結果としては悪いが、原因は後輩の生意気さにあるという気持ちを、大きな声では言わないにしても強く持っている。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう