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【桂春蝶の蝶々発止。】SWは純文学、ダース・ベイダーに「男のロマンと悲哀」感じる 夫婦関係も何とか成り立つ

 最新作「最後のジェダイ」が公開、国内は「スター・ウォーズ」の話題であふれています。スカイウォーカーの血統はいかなる顛末(てんまつ)につながるのか。最新3部作では、その謎解きに大きな注目が集まっています。

 ルークに何があった? カイロ・レンの行く末は? レイのルーツは? あらゆる推理がネット上で飛び交い、ファンが新たなファンを生む構図。40年、人々の心をとらえて止まないスター・ウォーズだからこその展開だと強く感じます。

 私は家内と趣味が合いません。聴く曲は、私はさだまさしで、彼女はマリリン・マンソン。彼女は酒豪で、私は下戸。

 1つだけ合うのが「スター・ウォーズ好き」。おかげで、何となく夫婦関係が成り立っているようなものです(笑)。

 家族で先日、地上波で放送された「スター・ウォーズ ジェダイの帰還」を見ました。改めてスター・ウォーズはSFというより、不条理や理不尽の中で翻弄されてゆく、家族の愛と憎しみの物語と感じました。純文学なんですよね。

 大人になればなるほど、ダース・ベイダーの心が理解できちゃう! 清貧なる少年が騎士を目指し、愛する人が王女というシンデレラストーリーも、最愛の人が非業の死を遂げてしまう。喪失感から暗黒面へ。だが、死の間際に愛息の前で改心する。彼に「男のロマンと悲哀」を感じない人がいるでしょうか?

 私は父親と同業であることから、血統に振り回される事象は少し理解できます。幼少時から父に「大助(=私の本名)、嫌われる覚悟のないヤツは、好かれることもないからな。よお覚えときや」と言われました。

 夕刊フジで毎週、リスク満載のコラムを書きつづるのも、私はある意味、「家訓」を守っているからなのです。

 保守的な私と違い、父は革新的でした。時々、ラジオの発言が激し過ぎて、右翼の街宣車に囲まれたことも(苦笑)。父と比べられる辛さ。

 人間国宝・桂米朝師匠の長男、米團治兄さんに以前、楽屋で涙ながらに抱きしめられ、「お前はええな、親死んでて…」って、リアクションを取りにくいことを言われたこともあります(笑)。

 私たちは恐らく、落語の力という「フォース」を信じて日々研鑽(けんさん)しているんでしょうね。何も信じられなくなったとき、花も枯れ実も腐り、暗黒面に陥るときもあります。

 スター・ウォーズは、われわれ人間社会に「フォース」と「暗黒面」があることを教えてくれる教典なのです。

 フォースと共にあらんことを!

 ■桂春蝶(かつら・しゅんちょう) 1975年、大阪府生まれ。父、二代目桂春蝶の死をきっかけに、落語家になることを決意。94年、三代目桂春団治に入門。2009年「三代目桂春蝶」襲名。明るく華のある芸風で人気。人情噺(ばなし)の古典から、新作までこなす。14年、大阪市の「咲くやこの花賞」受賞。

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