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【大人のエンタメ】世界中のセレブに愛される靴の誕生秘話 「マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年」

★大人のエンタメ

 人気ドラマ『セックス・アンド・シティ』の有名なエピソードで、主人公のキャリーが強盗に遭った時「これだけは盗らないで」と懇願した靴が〈マノロブラニク〉だ。現在公開中の「マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年」は1970年代のデビュー以来、世界中で熱狂的に支持され、ダイアナ妃らセレブの足元を輝かせたシューズブランドを世に送り出した偉大なデザイナーのドキュメンタリーだ。

 現在、デザイナー界では知らない人はいないマノロ・ブラニク本人は、今でも工房で靴づくりに携わることが楽しみというほど、プロの職人魂を忘れない人物だ。

 その道一筋に生きてきたプロがカメラの前で、にこやかに語るシーンには、観ている側の顔もついほころぶ。実に不思議な魅力に満ちたキャラクターと言えよう。

 本人は、有名人であることにとんと興味がないらしく、工房で過ごす時間が生きがいというから、顔を売ることだけが目的で、パフォーマンスばかりのわが国の“有名人”にぜひ見せたい作品である。

 またソフィア・コッポラ監督の映画『マリー・アントワネット』(2006年)に全面協力し、第79回アカデミー賞で衣装デザインのミレーナ・カノネロにオスカーをもたらすなど映画界にも大きな貢献をしている。

 近年、ファッション関係のドキュメンタリーの優秀作が目につく。

 『ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ』(12年)や『ディオールと私』(14年)なども優れていたが、そうした作品でも華麗な姿を見せていたモデルや女優、雑誌『ヴォーグ』編集長、アナ・ウィンターらが、本作では今日のシューズ・ファッション界の最先端状況を語りつくす。

 女性だけでなく、世の男性諸君にもぜひ観てもらいたいドキュメンタリー映画である。(瀬戸川宗太)

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