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【産経プラスコラム】マツモトクラブのマツモトコラム(1) (3/3ページ)

 タクシーの中の僕とルシファーさんはお互いに無口だった。携帯をいじり、たくさん来ていたメールやLINEの返信をしたり、窓の外をぼーっと見たり…。

 びーちぶのみんなは、僕がCブロックで負けてしまったこと、なんて言うのだろう?

 『マツクラなんであのネタやってん?』

 『もっとええネタあったやろ?』

 『お前ネタ選びミスったなぁ』

 とか言われちゃうのかな? いやだなぁ…。

 まだ言われてもいない、びーちぶにいる先輩芸人からのダメ出しを勝手に想像して、勝手にふてくされているうちに、こぼれ落ちそうになっていた涙は何処かにいってしまって、どんより雲だけが、僕の頭上に停滞していた。

 びーちぶに着いた。びーちぶの扉を開けると、階段の下の方から笑い声が聞こえてきた。ルシファーさんと2人でびーちぶの階段を降り、みんなが集まっている客席に到着した。

 「おおっ!!」

 「きたーーーっ!!」

 「マツクラだー!!」

 「ルシファーさんっ!!」

 「おつかれーーーーーっ!!!」

 「サイコーだったよーー!!!」

 「よくやったマツクラ!!!」

 「ルシファー凄いっ!!!」

 「カッコよかったぞ!!!」

 「おつかれさーーーん!!!」

 何十人ものおじさん芸人たちからの祝福の嵐に僕たちは包まれた。涙が溢れ出た。溢れ出て止まらなかった。

 「おい!! マツクラが泣いてるぞ!!」

 「えっ?! ホンマやっ!!」

 「ハハハっ! なんで泣いてんねん!!」

 「みんな見てみろー! マツクラが泣いてるぞーー!!」

 僕は、お笑いが好きだ。どんより雲は嵐に飛ばされ何処かに消えた。

 さぁ 行こう。

         ◇

 このコラムは2017年3月8日にニュースアプリ「産経プラス」に掲載したものです。産経プラスで好評連載中の【マツモトクラブのマツモトコラム】は隔週土曜日更新です。産経プラスのダウンロードはこちらから↓。

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