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【中本裕己 エンタなう】三十路の長澤まさみが人生に翻弄される“嫌な女”を好演! 映画「嘘を愛する女」

 バリバリのキャリアウーマンである由加里(長澤まさみ)は、研究医の桔平(高橋一生)と同棲して5年。ある日、桔平がくも膜下出血で倒れ意識不明に。警察から、彼の運転免許証は偽造で、知り尽くしたはずの素性がすべて嘘であったことを告げられ、半狂乱になる。

 人気小説やマンガ原作が多い昨今、中江和仁監督がオリジナル脚本で勝負したこの映画「嘘を愛する女」(公開中)は珍しく、まったく先が読めない面白さがある。

 由加里は、正体を確かめるため、男が残した書きかけの小説を頼みの綱に謎解きに躍起になる。中年探偵(吉田鋼太郎)を雇って旅に出るのだが、長澤には珍しく、高飛車で嫌味な性格全開の役柄で、道中は観客をイラ立たせる。

 婚期を逃すどころか、“事故物件”の男をつかまされた焦りと心細さ、それでも嘘を信じたい思いが三十路の横顔からにじむ。回想場面のねっとりとしたキスや、ぶっきらぼうにタバコをふかすシーンなど、実にリアル。「世界の中心で、愛を叫ぶ」「モテキ」「海街diary」と、東宝作品に育まれてきた長澤が、ここまで人生に翻弄される姿が似合う看板女優となったことに、感慨を覚えた。

 事態が二転三転して、男の正体が分かり、由加里の表情が微妙に変わりゆくまでのストーリーは、若干の冗長さはあったが、見応え十分。

 これは長澤まさみを見る映画である。 (中本裕己)

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