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NHK、チャンネル減も 多額剰余金・業務肥大化…強まる批判

 受信料の値下げ見送りや業務肥大化への懸念をめぐり、NHKへの風当たりが強まっている。立法と行政からは「業務・受信料・ガバナンス」の“三位一体改革”を求められる中、不祥事も相次ぐ。肥大化への批判と前後し、NHK幹部らがチャンネル数減を示唆し始めた。

 NHKは1月、平成30~32年度の経営計画を発表。今月9日には30年度予算案が閣議決定されたが、30年度末で利益剰余金(内部留保)が767億円となる見込みであることなどを踏まえ、政府は受信料について「引き下げの可能性を含め検討を行うことを求める」との総務相意見を付けた。 NHKでは今年12月、衛星で超高精細映像の4K・8K放送が始まり、チャンネル数はテレビとラジオを合わせて9つとなる。経営計画ではインターネットを活用した「“公共メディア”への進化」を掲げており、将来的にはテレビと同じ番組をネットで流す「常時同時配信」で受信料新設による新たな財源確保も狙う。

 受信料制度については昨年、最高裁の「合憲」判決で司法のお墨付きを得た一方、参院総務委員会の決議で「業務範囲の在り方についてはガバナンスの在り方とともに丁寧に検討を進めること」と指摘されるなど、立法と行政から三位一体改革を求められている。

 しかし、NHKは経営計画で一律の受信料値下げを見送り、「合憲」を追い風に受信料の徴収率アップによる増収を企図。肥大化への懸念に加え、全国瞬時警報システム(Jアラート)に絡む誤報を出すなど不祥事も相次いでおり、改革からはほど遠い状況だ。

 こうした中、NHKからはチャンネル数減を示唆する発言が出始めた。上田良一会長は「(8Kの)普及に全力投球する一方、視聴者にとって何が有益かという視点に立ち検討を進めたい」と言及。さらに経営委員会の石原進委員長(JR九州相談役)も「BSが4つになり、状況を見て整理が必要」と発言。8Kの普及には時間がかかりそうだが、チャンネル数減のタイミングを「そう遠い将来ではない」とまで言い切る。

 立教大学の服部孝章名誉教授(メディア法)は、「チャンネル数を減らすことと受信料制度との関係も議論する必要がある。今後の事業規模・範囲の適正な在り方については、国会でも、NHK内部でも議論し発信すべきだ」と強調している。(大塚創造)

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