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【中本裕己 エンタなう】“女の中に男1人”の天国と地獄 映画「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」

 女性ウケする耽美な映像に特色があるソフィア・コッポラ監督の映画「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」(公開中)は、“女の中に男がひとり”の恐怖を真綿で首を絞めるように描く。

 南北戦争中の米南部バージニア州。寄宿舎の庭で、少女が重い傷を負った北軍兵士(コリン・ファレル)を発見し、手当てのために女学校の学び舎に連れ帰る。

 ニコール・キッドマン扮する園長や、若い女教師(キルスティン・ダンスト)、年頃の女学生(エル・ファニング)ら戦禍を逃れて共同生活を送る7人の女性は、兵士を警戒しながら介抱する。

 やがて、男子禁制の“秘密の花園”に紛れ込んだイケメン兵士はモテモテに。彼女たちは薄暗い寄宿舎の中で、遠く近くに響き続ける砲撃に怯え、慎ましく暮らしてきた。それが、徐々に華やいで、身だしなみに気遣ってゆく姿が妙にエロチックなのである。ほとんど肌を見せるシーンがないにもかかわらず、女性の見てはいけない部分を1枚ずつ剥ぎ取るような映像は、さすがコッポラの血筋か。

 しかし、油断して見ている私のような男に鉄槌を振り下ろすかのような94分間の結末は、げに恐ろしい。原作は、1971年にドン・シーゲル監督、クリント・イーストウッド主演の「白い肌の異常な夜」として映画化されているが、男女の目線の違いが面白い。(中本裕己)

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