記事詳細

【大人のエンタメ】迫力の闘剣シーン、斬新&痛快な冒険活劇『海賊』久保紘一版 男性バレエファンが急増しちゃうかも? (1/2ページ)

★大人のエンタメ

 先月、東京文化会館で世界初演されたNBA(日本バレエアカデミー)バレエ団の久保紘一版「海賊」は、実に痛快でジンとくる新演出だった。

 まず、久保芸術監督による脚色が面白く、分かりやすい。旧来の作品は見せ場の踊りの良さや異国情緒に富んだ舞台で人気が高いが、英詩人のバイロンの原作から離れた煩雑としたストーリーになっており、海賊の首領とトルコ軍総督が、美しい奴隷女性を奪い合う筋書きながら、中心人物の行動や動機づけなどが釈然としないまま話が進む。

 久保監督は原作に立ち戻り、総督のハーレムで不自由なく暮らしていた女性が、海賊の首領に思いを寄せたために招いた顛末を首領の恋人と対比表現。ハーレムの女性の切ない境遇が伝わる。

 また原作が書かれた1814年頃はオスマン帝国の勢力が衰え始め、やがてギリシャが独立を果たす少し前の時代であることに着目。海賊をギリシャ独立に奮起した義賊にし、オスマン軍の奴隷商人と戦う構図をとり、意気のいい男性ダンサーたちが刀剣を手に大立ち回りも披露する斬新な冒険活劇に仕上げた。

 闘剣シーンはリアリティーがあり迫力満点。宝塚歌劇や劇団四季でも西洋剣術指導する新美智士に教わった成果だという。

 従来の見せ場の踊りは生かしながら、場面がテンポよく展開するのも心地いい。これは、理にかなった作曲手法が功を奏したといえるだろう。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう

関連ニュース