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【ぴいぷる】リアルに生きてるか-大江千里 NYジャズ留学では「アホなのか、天才なのか」と話題に (2/3ページ)

 どうすればジャズを学べるかということにもはっきりとした答えが見えない日々にひたすら練習を重ね、1つ1つの課題に正面から取り組んだ。ジャズ以外の課題にも取り組みながら、がむしゃらにもがいては泥のように眠った。ついには左手の指の神経を悪くして、ピアノを弾くことすら一時期はお預けに。

 「先生に話したら『それをチャンスにしなさい』と。『弾けない時期があるなら、その分、人の音を聞く。それも訓練になるから、そっちに気分を転換して、他人の音を聞くことに集中したほうがいい』といわれました。それをやったことで少し変わってきたんですよね。それまでは『自分がジャズになる』と自分主体で音楽を捉えていたのが、逆に人がいて、その中に自分が入っていくっていう。自分の役割として何をやればアンサンブルとしてかっこいいだろうと」

 視点を変えて他の学生の指使いを写真に収めては練習したり、1つのフレーズを何度も練習して歌えるようにして少しずつ“ジャズ言語”を自分のものにした。

 「ジャズピアニスト『Senri Oe』がポップ歌手の『大江千里さん』に会いに行く」というテーマで制作された新アルバム「Boys&Girls」。ジャズピアニストとしてかつての曲を聴くと、100万回歌って聴いてきたはずの自分の曲が新鮮に響く。

 「大江千里の曲ってこんなにみずみずしく、パワフルで、イントロの最初から心の中がスキップするようで、楽しさと切なさがこみ上げてくるんだって感じて。このエネルギーは変えないでいこうと思いました」

 難しいのは、ジャズとポップにどう折り合いを付けるか。どちらも自分自身であるだけに「どっちにしていいのか決断ができなくなる時期がありました」と振り返る。

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