記事詳細

【ぴいぷる】小坂忠、ステージ4の大腸がんからライブ復帰 「残ったのは歌いたい気持ちでした」 (2/3ページ)

 音楽への向き合い方も変わっていく。それまでは自分の音楽を支持してくれるファンに向けて発信してきた。

 「分かる人だけついてくればいいって、ホント高慢なミュージシャンでしたよ。でも教会の活動で刑務所に行ったりすると、僕のファンなんて一人もいない。でも、その人たちに感謝の気持ちを伝えたいって思うようになったんです」

 作る音楽も変わっていったという。

 「誰もが楽しめるのが音楽のあるべき姿だと思うんです。そして、人の心の琴線を震わせるには、まず自分の心の琴線が震えないと意味がないと思うようになりました。それは僕にとって特別な経験でしたね」

 ただ、教会音楽に取り組む中で、今度は枠にはまりすぎている自分がいることに気づき、2000年から再びティン・パン・アレーのメンバーと活動を開始した。しかし大腸がんを発症。しかもステージ4で肺にも転移していた。それでもうつむいてなんかはいられない。

 「あと30年生きたいと思っているなら別だが、1日1日を大切にして、できるところまで生きようというつもりなので。僕のがんとの闘い方は」

 どんなにつらくてもポジティブに考えようと思っている。手術の後、絶食が50日間続いた。

 「4人部屋でね、みんなの食事のとき、僕のところに届くのはにおいだけ。だからにおいを楽しんでたの。で、絶食後に初めて食べたのは重湯。当然うまいとはいえないものだけど、口に入れたとき、『生きてる!』って感じたんです。こんなものでこんなに感動できるんだって。病気になっても楽しい経験はできるんだって思いましたよ」。

関連ニュース