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【映画通が一度は行きたい京都】映画通でも…なかなか行けない「撮影所」 京都が映画都市になった理由とは? (2/2ページ)

 松竹撮影所は近年スタジオが建て替えられて真新しい雰囲気だ。奥のオープンセットは東映と違い公開されておらず、本当に江戸時代の街並みが残っているかのような印象だ。もちろん昭和期の長屋のセットとしても使える。両撮影所内にオープンセットがあるのが京都の強みだ。増改築を繰り返しているので、新しいセットには出せない生活感がある。

 なぜ京都は映画都市になったのか。

 歌舞伎を生んだ芸能の都を引き継いだ芸、撮影所が育んだスタッフの技術、伝統工芸の技を生かした衣装や道具、歴史的建造物などロケ地の豊富さ、大学や研究者との連携などの要因が考えられるだろう。

 それ以前に京都は「坪庭」や「借景」など自然の風景を「フレーム」で切り取って愛でる伝統があったからかもしれない。つまり映画が生まれる前から、都人は映画キャメラマンのように、好きなフレームで景色を切り取ってきたのだ。

 ぜひ皆さんも、自分だけの京都を切り取って楽しんでみては? =おわり(演出家・脚本家・大野裕之)

 ■菊香荘(京都市右京区太秦西蜂岡町9) 撮影所の中には入れないが京都旅行の宿として、京撮前の菊香荘に泊まってみるのはどうだろうか。多くの俳優たちが定宿にしてきた建物には、映画の魂がこもっている。

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