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【玉袋筋太郎 玉ちゃんの酔滸伝】いいことも悪いこともかっこんできてくれるのが熊手なのです (1/2ページ)

 今月13日、二の酉(とり)が行われている東京・新宿の花園神社に行きました。酉の市は私の家族の中でお正月以上のめでたい行事なのです。

 それまで家に飾ってあった熊手を神社に収め、新しい熊手を手に入れる。1年に一度のこの家族行事は、安っぽい言い方ですが、家族の絆や、自分がしっかりできているかの確認行事なのです。

 酉の市で売られている熊手は商売繁盛、家内安全、健康などなど、私のように弱い人間が抱える数え切れないほどの降りかかる艱難(かんなん)辛苦の不安を吹き飛ばしてくれます。誠に自分勝手なのですが、人生の「ありがたみ」を「かっこんで」くれる縁起物なのです。

 昔、コンビでやらかしたことがありました。笑いを取るために公文書である運転免許証の証明写真をどれだけふざけた顔でスルーできるかというチキンレースで、お国から罰則を受け、芸能の仕事をすべて干されたのです。仕事がなくなり収入はゼロ。すべてを失い家族は路頭に迷います。

 一気に転落した家族を待ち構えていたのは借金に次ぐ借金の極貧生活でした。私は、その期に及んでも「どうってことねぇよ」などと強がって朝から酒浸り。幼い息子を抱える妻は、生活維持のためにアクセサリーを1つ袋に入れて50銭にしかならない内職の仕事まで始めました。

 そんなどん底生活のある日、「花園神社のお酉さまでも行こうぜ」と夜の酉の市に繰り出しました。お金なぞ持ち合わせていなかったのですが、らんらんと輝く酉の市に行けば、生活に少しでも光を与えてくれるのではないかという願いでした。

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