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【高嶋ひでたけのラジオ“秘”交友録】時折ジョークも 佐藤優さんはタフな勉強家

 ラジオを通じて多くの人に出会ったが、心底「タマシイを抜かれたなあ」と思う方がいる。作家の佐藤優さんだ。

 私と佐藤さんでは「月とスッポン」「提灯に釣鐘」。例えはなんでもいいとして、まったく歯が立たない。

 佐藤さんの「獄中記」を読んで、世の中こんなにタフな人がいるのかと驚嘆したのがシビレの始まりだった。接見禁止のまま拘留された512日間、並の人間なら「恐れ入りました」となるところ、佐藤さんはその苦境を猛烈な思索と圧倒的な読書、勉強にあてた。彼にとって東京拘置所はお上が目指す反省の場にならなかったわけだ。

 僕が「すげえ」と思ったのが、佐藤さんは拘置所の独居房の環境は勉強するのに最適で集中力が発揮できると言っている点だ。「拘置所を出た後も同じ環境の勉強部屋を持ちたいと思った」というがどこまでが本心か。

 といって、佐藤さんは勉強のみの朴念仁ではない。私の夏休みの折、パーソナリティーをお願いしたが、オールマイティーの知識の広さを駆使し、圧倒的に楽しい放送であった。

 私が好きなのが時折、何気なく発するジョーク。「ロシアでは2人で話せば秘密は守られるが、3人で話すとその秘密は翌日隣の犬でも知っている」

 8年間隔週でラジオの朝の情報番組でお世話になったが、その縁を大切にする佐藤さんの気持ちには頭が下がる。「半年後にまたここで会いましょう」が佐藤式。

 先日も来年5月の再会を約束してお別れしたが今からその日が楽しみである。

 ■高嶋ひでたけ(たかしま・ひでたけ) フリーアナウンサー。1942年生まれ、神奈川県横須賀市生まれ。明治大学卒業後、65年にニッポン放送に入社。『オールナイトニッポン』などに出演。深夜ラジオでは“ヒゲ武”の愛称で親しまれた。80年代からは『お早よう!中年探偵団』『あさラジ!』などで“朝の顔”として活躍してきた。1990年からフリー。ニッポン放送で「高嶋ひでたけと里崎智也サタデーバッテリートーク」(土曜午後6時)に出演中。

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