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【織田哲郎 あれからこれから vol.9】イギリスで出合った幸運 中古で買ったサイモン&ガーファンクル『明日に架ける橋』 (1/2ページ)

★(9)

 イギリスに着いて間もない頃、近所のフリーマーケットで、サイモン&ガーファンクルのアルバム『明日に架ける橋』を中古で買いました。人生初のアルバムというか、当時はLPですね。

 バーチントンの英語塾にいた間、最低でも1日に1回という感じでよく聴きました。そこまで聴き込んだアルバムが『明日に架ける橋』だったのは幸運でした。

 素晴らしい楽曲と歌唱、演奏、そして当時の録音技術では考えられない凝りに凝ったアレンジが詰まった、今聴いても奇跡のような1枚。このアルバムによって音楽家、織田哲郎の土台が固められた気がしますね。

 さて9月からはロンドンの南、ブライトンに向かう途中のホーシャムという小さな町にある「St.John’SCollege」に入りました。普通の学校なので、その時点ではまだろくに英語もしゃべれないのに普通の授業を受けることになりました。

 そんなもん最初は当然チンプンカンプン。でも子供というのは順応性が高いものです。片言で意思の疎通を図りながら、寮での共同生活を送り始めます。次第に相手の発言に対する推測力が上がるので、相当なデタラメ英語でも一応日常会話なら成立し始めるんです。

 最近、親の転勤で海外に行った子供たちは日本人学校に入ることが多いようですが、ものすごくもったいない。授業の進み方はすべての科目で日本と全く異なるし、というより歴史は英国史、地理は英国の地理、国語は英語なわけですから、日本に帰ってからのことを考えると日本人学校に入れたくなる気持ちも分からなくはないですが…。

 人によって新しい環境になじみやすいタイプ、そうでないタイプといろいろありますが、少なくとも私にはさまざまな人種、国籍の子供たちと同じ寮で暮らし、同じ教室で学んだことはとても大きな財産です。

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