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【織田哲郎 あれからこれから】「俺は一生極貧生活だな」と覚悟できた… 英国学校での「油絵」授業 (1/2ページ)

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 1971年9月から1年間、英国の「St.John’S College」という学校にいたことで、人生に大きな影響を受けたのは美術の授業で油絵を習ったことです。

 油絵を描くことが何より楽しくて「将来画家になる」とその時点で決心しました。それまでぼんやりと「漫画家になりたいなあ」とか思っていたんですが、初めて本気で将来を見据えて「画家になる!」と決めたのです。そこからはヒマさえあれば油絵を描いていました。

 考えてみれば、小学生の頃からある意味、ADHDらしい、かなりまともじゃない社交性を持ちつつも、漫画を描いたり妄想にふけりながら散歩したりという自分1人の時間、脳内で何かを膨らませてはそれを何らかのカタチで表に出す、という作業が自分にとって何より重要だった気がします。

 そして絵を描くときにはいつも音楽を聴きながら描くのが習慣になり、とりあえず親からの仕送りはすべてレコードになっていきました。

 正面から学校を描いた絵を校長が買い取ってくれて(といっても数千円ですが)、その絵は学校が、それから数十年後に廃校になるまで校長室に飾ってくれていたそうです。

 学校を辞めるとき、私の両親とそろって先生方にあいさつしたんですが、その時に先生方が「ぜひりっぱな画家になってくださいね」と、今思えば両親にしてみたら「いやいやいやいや、そんなこと言って息子をこれ以上その気にさせないでください」と思ったとしても無理もない言葉で送り出してくれました。

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