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タレントの薬物問題に、企業はどう対応すべきか (4/5ページ)

 この衝撃的な出来事が、現在のような「タレントの罪=作品も罪」というトレンドを生み出したのではないか、と個人的には考えている。

 ◆日本の危機管理は、前例主義

 不祥事を起こした企業や芸能人が、同じような謝罪の言葉を口にして、同じような所作で、同じようなスタイルでカメラの前で頭を下げることからも分かるように、日本の危機管理は基本、前例主義である。

 大企業などがやって、世間から叩かれなかった対応を成功事例として、後の企業が踏襲することが繰り返されてきた。

 こういう前例に引きずられるカルチャーがある国で、勝さんの「パンツ事件」は連日のように繰り返し報道された。これがその後にどのようなトレンドを生み出すのか想像していただきたい。

 薬で逮捕された芸能人が関わったのなら、CMだろうがドラマだろうが、なんであれ葬らなくてはいけない。そして、その金銭的な損失は、すべて逮捕されて関係各位に迷惑をかけた芸能人が負うべきである--。

 そんな考え方が前例として定着するのではないか。

 もちろん、これらはすべて筆者の想像に過ぎない。ただ、一つだけはっきりと断言できるのは、今回の瀧さんのケースのように、出演作や楽曲までが「自粛」させられるのは、この20年くらいで日本社会に定着してきた比較的新しい考え方だということである。

 だったら、今とは別の前例ができれば、思いのほかサクッと変わるかもしれないのだ。

 ◆企業としての「信念」があれば

 瀧さんが出演している映画『麻雀放浪記2020』は、公開直前でもはや代役などが立てられないなどの理由からそのまま公開するという。また、先ほども触れたように、坂本龍一さんをはじめ著名人も作品の自粛に疑問を呈している。

 90年代に生まれた「タレント個人の罪=作品の罪」という常識が崩れつつあるのだ。

 例えば、こういうムードの中で、どこか影響力のある企業が、瀧さんが関わった作品の販売や公開の継続をして、こんなことを言ったらどうだろう。

 「薬物使用は決して許されることではありません。しかし、当社では、過ちを犯した人でも、反省と更正によって再びチャレンジができるような社会になるべきだとも思っております。また、瀧さんが薬物依存を克服して、社会にその姿を示すことこそが、同じような問題を抱える人の励みにもなると考えております。

ITmedia ビジネスオンライン

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