記事詳細

【ぴいぷる】がんと10年、前を向く 元日本テレビ報道記者・鈴木美穂さん「さまざまな事情抱える人が生きやすい社会を」 (1/3ページ)

 「がんになったのはうれしくはないけれど自分に必要な経験だったのかもしれない。今はそう思えるようになりました」

 昨年まで「スッキリ」や「情報ライブ ミヤネ屋」のニュースコーナーのキャスターを務め、テレビでもおなじみの笑顔だ。24歳で乳がんを患い、仕事を続けながら闘ってきた。その闘病の記録や心境の変化をつづった『もしすべてのことに意味があるなら がんがわたしに教えてくれたこと』(ダイヤモンド社)を2月に出版した。

 右胸にしこりを発見したのは、日本テレビに入社して3年目。報道記者として飛び回っていたさなかだった。病院で受けた診断は、ステージIIIの乳がん。転移は見当たらないものの、成長の早いタイプのがんだった。

 「どうして私が? という思いで、何も考えられなくて…。両親とともに医師の説明を聞きながら、ただ泣くことしかできませんでした」

 いくつもの病院を回ってセカンドオピニオンを受け、さまざまな情報を収集した上で右胸の全切除を決断。手術後は、抗がん剤、放射線治療など標準治療のフルコースを体験した。中でもつらかったのは、抗がん剤の副作用。吐き気や脱毛だけでなく、「せん妄」と呼ばれる幻覚や妄想などの症状にも悩まされた。

 「寝たら2度と目覚められないのではないかと考えると怖くて眠れない。『こんなに苦しむくらいなら死んだほうがラク』と考え、もうろうとする意識の中、マンションのベランダから飛び降りようとしたこともありました」

関連ニュース