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【アジア映画の風 脱ハリウッドへの挑戦】アジア映画に新たな潮流…才気あふれる女流監督たちの台頭 香港「みじめな人」、韓国「アワ・ボディ」 (1/2ページ)

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 アジア映画の新たな潮流のひとつに女性監督の台頭が挙げられる。3月に開かれた大阪アジアン映画祭のコンペ部門の候補14本中8本が女性監督の作品だった。その中から香港映画「みじめな人」と韓国映画「アワ・ボディ」の2本を紹介したい。

 「みじめな人」は先月、“香港のアカデミー賞”と呼ばれる香港電影金像獎で8部門にノミネートされ、オリヴァー・チャン監督が最優秀新人監督賞に選ばれるなど3部門を受賞し、話題をさらった。

 物語は、事故で全身麻痺となり、車いす生活を送る初老の男性と、彼を介護する出稼ぎのフィリピン人女性との交流を描いたヒューマンドラマ。

 「今まで描かれたことのない香港社会を描きたかった。高齢者や身障者の介護など底辺を支えているのが、出稼ぎのフィリピン人である事実を誰も描いてこなかったから」。チャン監督は製作意図をこう語った。

 香港政府主催の監督育成制度に応募した脚本が選ばれ、資金援助を得て製作。今作で最優秀主演男優賞に輝いた香港の重鎮アンソニー・ウォンは脚本を読み、ノーギャラでの出演を決めたという。「派手なエンタメだけが香港映画ではない」とチャン監督が訴えるように、香港映画界の底力を証明する力作だ。

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