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【ぴいぷる】加藤登紀子 歌手生活55周年 夫と母を亡くした後に気付いた「私が歌う意味」 (3/3ページ)

 ■「愛の讃歌」に癒やされて…

 人生25年を一幕として区切ったとき、75歳はまさに冒頭で言ったように第4幕の幕開けになる。

 まだ第1幕だったデビュー時は「何も分からなくてしんどかったわ」。第2幕の40代は「すごく張り切っていたの」と振り返る。憧れの米ニューヨークのカーネギーホールでのコンサートや、『百万本のバラ』のヒットなど、歌手活動に軸足を置いて駆け抜けた。

 「第3幕の50代を迎えたとき、このままでいかなくなるだろうと身構えたの。いずれ歌手として思うようにならなくなるから、書や陶芸とかやってもいいかなとかエクスキューズを持ってね。ボイストレーニングも始めて、そこからまた新しい人生が始まりました」

 そして第4幕は「自分の人生をピリオドは夢を持って描きたいですね」と語る。第3幕では人生の伴侶である夫を2002年に亡くし、17年には母を見送った。

 「実は夫が死んだ後、もうラブソングは歌えないって思っていたの。でも、何年かして『愛の讃歌』を歌ったとき、すごく癒やされて、実は生と死をつなぐものなんだって気付いたんです。たくさんの人の生死を見届けてきたからこそ、今の私には歌う意味があるんだなって思うの」 (ペン・福田哲士 カメラ・酒巻俊介)

 ■加藤登紀子(かとう・ときこ) シンガー・ソングライター。1943年12月27日生まれ、75歳。満州(現・中国東北部)のハルビン生まれ。東京大学文学部卒。在学中の65年にシャンソンコンクールで優勝し、歌手デビュー。66年に『赤い風船』でレコード大賞新人賞、71年『知床旅情』で同歌唱賞。『ひとり寝の子守唄』『百万本のバラ』などヒット曲多数。

 72年、活動家だった藤本敏夫氏と獄中結婚し、話題に。一時音楽から離れるが73年に復帰。

 歌手生活55周年記念の「LOVELOVELOVE 加藤登紀子コンサート2019 愛の第4楽章」は6月9日午後5時から、東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホールで。問い合わせはトキコ・プランニング(03・3352・3875)。

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