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【女優20年 米倉涼子というアイコン】カッコいい悪女“清張女優”で確固たる「米倉ブランド」確立 「黒革の手帖」 (1/2ページ)

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 米倉涼子を女優として大きく飛躍させたのは、松本清張原作ドラマであった。その第1弾が2004年の『黒革の手帖』だ。

 主人公の原口元子(米倉)は銀行勤務時代の顧客の秘密を記した黒革の手帖と横領した裏金をもとに銀座の高級クラブのママになる。元子にかかれば女好きの美容クリニック院長(小林稔侍)もにやけた予備校理事長(柳葉敏郎)もいいカモだ。男たちを手玉にとり、敵の女たちを蹴散らし、ついに銀座で一番のクラブ買い取りに乗り出す元子。だがそこには黒いワナが…。

 この作品の好評を受けて、米倉は脅迫まがいのやり口でジュエリーデザイナーとしてのし上がる『けものみち』、看護師として病院の隅で暗い顔して注射器を握りしめる『わるいやつら』と松本清張3部作に主演。

 さらにはコミカルな要素もいっぱいの『家政婦は見た!』やひそかに資産家の夫の抹殺を図る元祖後妻業の女のような『強き蟻』にも主演。大奥を舞台にした時代劇の『かげろう絵図』まで含めれば、芸能界屈指の“清張女優”といえる。

 なぜ、米倉は清張作品と相性がいいのか。

 それは清張が描く女が、自分の欲望を否定しないカッコいい悪女だからである。なにしろ、出てくる人間は全員腹黒。そんな中で『けものみち』で米倉演じる民子は「すでに黒く染まったものは、これ以上黒くなりようがない」と言い放つ。すごいわー。さすが寝たきりの夫を焼き殺した女だけのことはある。

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