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【永遠の二枚目 市川雷蔵伝説】雷蔵の当たり役だった「眠狂四郎」 第1作は失敗だった!? (1/2ページ)

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 市川雷蔵の当たり役といえば「眠狂四郎」だ。転びバテレンのオランダ人が、大目付の娘を凌辱して生まれたという出生の秘密を持つ狂四郎は虚無に生きる美貌の剣士。

 第1作『眠狂四郎殺法帖』の田中徳三監督によると、当初、原作者の柴田錬三郎は映像化に乗り気ではなく「円月殺法を見せろ」と迫った。雷蔵は自ら、剣先をチャッとかえして円を描く動きを編み出し、作家を納得させた。

 ところが第1作は監督いわく「失敗作」。確かに第1作の狂四郎は舟宿の居候で口数も多く、虚無のイメージとは違う…。それでも第2作の製作は決定済みだったのでイメージを練り直した。加えてストロボ撮影により「円月殺法」の剣の動きがコマ割りで見える名場面も登場。

 「人の世はしょせん殺し合いだ」(『眠狂四郎勝負』)と世の中を冷たく見つめる狂四郎と、複雑な家庭環境に育ち、シニカルな一面もあった雷蔵のかげりのある美しさがぴたりと重なり、ヒットシリーズとなった。

 必殺剣シーンとともに人気を集めたのは全裸美女、殺人、十字架、異国の刺客など、普通の時代劇とは一味違うエロスと猟奇性。

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