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フジドラマ枠に異変 月9はヒット、木曜劇場は本塁打狙いに (4/4ページ)

 その理由は、ターゲット層以外の視聴者層をシャットアウトしないため。どのドラマ枠にも、いわゆる“お得意様”のターゲット層がいますが、それ以外の層に「自分には関係のないドラマ枠」と思われないために、「ウチはこういう枠です!」とPRをしないのです。また、ターゲット層の人々も、時代や流行に合わせて嗜好が変わるため、「同じテイストのドラマを放送し続けていればいい」というわけではないのでしょう。

 特にフジテレビが近年そうだったように、視聴率の低迷が長引いたときはリニューアルの必要性に迫られますし、変えたものがまた不振に陥れば再リニューアルを求められるなど、あくまで暫定的な変更に過ぎないため、わざわざ「リニューアルします!」とPRしないようです。

 ◆バラエティもリニューアルのPRはしない

 「ウチはこういう枠です」「リニューアルします!」とPRしないのはバラエティも同様。基本的に1クール1作のドラマとは異なり、継続することが前提のバラエティは、「視聴率がふるわないときも、打ち切って新しい番組を作るのではなく、内容をリニューアルして浮上を狙う」という方法がよく採られます。

 たとえば、『世界の果てまでイッテQ!』『行列のできる法律相談所』『人生が変わる1分間の深イイ話』など日本テレビのバラエティでは定番の手法であり、フジテレビの『ネプリーグ』『坂上どうぶつ王国』『ダウンタウンなう』なども同様。しかし、内容を変えるときは、「新企画スタート」と打ち出すことはあっても、「リニューアル」と打ち出す番組はほとんどありません。やはりテレビマンたちの頭には、「リニューアルは暫定的なもの」「再リニューアルもありうる」という意識があるのでしょう。

 まだ月9も、木曜劇場も、今後どのような方針で制作されていくのかは未知数ですが、今作がテストケースになったのは間違いありません。ネットの普及で流行のサイクルが早くなり、視聴者嗜好をとらえながら変化し続けることが望まれる時代だけに、ドラマ枠でもこのような「PRなきリニューアル」が増えていくのではないでしょうか。

 【木村隆志】

 コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

NEWSポストセブン

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