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【ぴいぷる】歌舞伎俳優・坂東玉三郎 天命の女形「命がけで」 ジャンル越え世界とコラボ 世界文化賞・演劇映像部門受賞 (1/3ページ)

 舞台に登場すると、その美しさに、客席からため息にも似た感動の「じわ」がさざなみのように広がる。

 「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」の花魁(おいらん)・八ツ橋では、謎めいたほほえみで田舎商人を結果的に破滅に追いやり、「壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)」の傾城・阿古屋(あこや)は、舞台で実際に琴、三味線、胡弓の三曲を演奏、その至難さのため、長く玉三郎ひとりしか演じる人がいなかった。いま、現代歌舞伎の女形の最高峰として、歌舞伎の奥深い魅力を体現する。

 「女形を極めるということは、一生かけて、命がけで取り組まないとできないことですね。女形が不自然と思われないためには、細かい技術と大変な修練、そして何より品格が必要ではないでしょうか」

 普段も手指の先まで神経の行き届いた美しいしぐさに静かな物腰。だが、芯に強い意志を感じさせる。

 女性よりも女性らしい艶(あで)やかさで、若い頃から「玉三郎ブーム」を巻き起こした。1984年にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場百周年記念公演に招かれ、「鷺娘(さぎむすめ)」を踊って世界中の人々をも魅了した。

 「女形というのは大変不思議な役柄です。男でありながら女を演じるということなんですけれども、究極、自分の体を使って、他人になる一つの作品というふうに考えています」

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