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【大鶴義丹 それってOUTだぜ!】沢尻エリカが走ったちっぽけな「エクスタシー」 芸能から経済まで「一発アウト」の風潮には大反対 (1/2ページ)

 今年は芸能人の薬物事犯が続いている。海ではサンマ、サケ、イカと幅広い魚の不漁が続いているが、当局関係者たちは「大豊漁」などと喜んでいるに違いないと、思わず不謹慎な想像をしてしまう。

 とくに今回、女優の沢尻エリカ容疑者(33)が11月16日、合成麻薬MDMAを所持していた疑いで逮捕された事件は、世間のほとんどの出来事を厭世(えんせい)的な態度で受け止める私でも、2センチほど飛び上がったくらいの衝撃度であった。

 このMDMAというドラッグは、大抵は「エクスタシー」と呼ばれ、1980年代から出回ったドラッグの中では新しいものである。ハリウッド映画などで、若者たちがナイトクラブなどで乱用するシーンなどによく登場する「パーティー・ドラッグ」である。しかしアメリカでも過剰摂取や乱用問題が続出し、85年から違法となっている。

 しかし近年では、PTSD(心的外傷後ストレス障害)治療に効果があるという研究結果があり、アメリカでは合法的な臨床試験をしているという点も、きちんと付け加えておく。

 だが現時点では先進的なアメリカでも違法薬物であり、日本の渋谷で使っていいわけがない。

 芸能人の薬物事犯というと、大概の場合は芸能人として旬を過ぎていたり、いかにもそういうタイプだったりというケースが多かった。だが今回の沢尻エリカ氏は、ダークな噂が多少はあったものの、実際に大河ドラマ主役級の「身体検査」もクリアしているわけであり、業界的には上り調子の優良株である。

 多少なりとも、同じ世界を共有している者から言わせてもらうと、私たちは芝居や歌、踊り、文筆など、「芸」という世界の「エクスタシー」にほれ込み、その世界に人生を捧げた者たちの集まりである。

 その世界の荒波の乱高下に打ちのめされ、薬やアルコールに走ってしまった方たちの悲しい末路というものを、私もいくつか知っている。認めることは許されないが、彼らが薬物に耽溺(たんでき)した心理だけは理解できる。

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