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大林宣彦監督、死去 時をかけ抜けた“信念3部作” 新人を世に送り出し、往年女優よみがえらせた“日本映画界の巨匠” (1/2ページ)

 日本映画界の巨匠で肺がんで闘病中だった大林宣彦監督が10日夜、東京都世田谷区の自宅で82歳で息を引き取った。

 広島県尾道市出身の大林さんは成城大学時代に自主映画を制作。テレビCMのディレクターとして活躍していた1977年、ホラー映画『HOUSE』で商業映画デビューを果たし、故郷尾道3部作『転校生』、原田知世さんのデビュー作『時をかける少女』や富田靖子さんの『さびしんぼう』をはじめ、薬師丸ひろ子さんの『ねらわれた学園』などアイドル映画のヒットメーカーとして活躍した。

 大林映画の美術を25年担当する竹内公一氏は、娘の千茱萸(ちぐみ)さんから訃報を受けて自宅にかけつけると女優・常盤貴子さんと長塚圭史さん夫婦の姿もあった。

 竹内さんは『三毛猫ホームズの推理』(96年)で初めてタッグを組んだが、エネルギッシュな大林さんは「当時もテレビ出演や講演に忙しく、ロケセットの下見もなく撮影現場にやってきて『竹ちゃん、とてもいいよ』と一言」。それがすべてだった。「竹ちゃん、映画で遊ぼうよ」が大林さんの口癖だった。

 10日は延期となった『海辺の映画館 キネマの玉手箱』の公開日だった。この作品には『無法松の一生』(34年)で吉岡夫人を演じた園井恵子さんが登場する。園井さんは劇団「桜隊」の活動拠点広島で被爆し、15日後の8月21日、32歳でこの世を去った。園井さんを演じていたのは常盤さんだった。

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