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【織田哲郎 あれからこれから】発注と一番かけ離れたケース…上戸彩さんにはバラードよりスカパンクが断然かっこいい! (2/2ページ)

 発注と一番かけ離れたケースが、2004年に上戸彩さんに提供した『愛のために。』でした。上戸さんは繊細な情感が伝わる声質を持っています。キャラクターも底抜けに明るいというより、微妙に陰影を感じさせるところがあります。ですから依頼としては「マイナーなもの、あるいはメロウなバラード」でした。それなのに私が作ったのは、まさに正反対のスカパンクと呼ばれるようなサウンドです。私の中でスカではじける上戸さんがなぜか最高にかっこよく思えたのです。

 赤という色を伝えたい時に、赤を重ね塗りするよりも緑の中にポツンと置いたほうが鮮烈なイメージが残ったりします。あるいはスイカの甘みをより感じるために塩をかけたりします。人の魅力を引き出したい時には、対比させる要素を含んで一見不自然に見せることは結構重要かもしれません。結果的に『愛のために。』はヒットし、彼女はその年の紅白に出場しました。

 ■織田哲郎(おだ・てつろう) シンガーソングライター、作曲家、プロデューサー。1958年3月11日生まれ。東京都出身。79年のデビュー当初からCMやアーティストの音楽制作に携わる。TUBEの『シーズン・イン・ザ・サン』で作曲家として注目される。

 現在「オダテツ3分トーキング」をYouTubeで配信中(毎週土曜日更新)。

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