【検証!芸能界 ポストコロナを生き抜くために】前年比売り上げ10%に激減した中堅プロダクション 制作システムも激変 (1/2ページ)
「売り上げは昨年の10%程度! 自粛が解除されても元に戻るとは思えない。芸能界始まって以来の不況じゃないの…」
人気女優などが所属する中堅芸能プロダクション社長は力ない。
「何しろCMがなくなった。さらに新規ドラマの企画がない。バラエティーも数が減った。テレビ局のギャラだけではとてもやっていけない」
まさに「聞くも涙」の話だが、5月25日に緊急事態宣言は解除されたものの、仕事が元に戻る気配はまったくない。「この状態は年内まで続く」との声もある。
「CMの制作クリエイターの3分の2はいまだに在宅勤務。クライアントから広告代理店へのCM依頼はほとんどストップしている。大がかりなTVCMの制作はほとんどなく、タレントの出番、需要もない。芸能プロのCM収入は激減した」とこの社長。
テレビCMの広告費の多くはネットに移行した。若い世代はテレビを見ない。若者はパソコンで情報を得て、ウェブ広告で商品を購入する。ウェブ広告から商品を申し込み購入できるので効率がいいからだ。
最近はタレントが小粒になり、知名度で商品が売れる相乗効果が少ない。むしろクライアントや広告代理店は商品情報が豊富なCMを求めており、詳細な商品データが入ったCMを制作している。ウェブ広告は、こうした制作システムが合致するようだ。
さらにウェブ広告は在宅勤務でもパソコンで制作できてしまう。なので、もうタレントを用意し、スタジオを借り、大掛かりのセットを組み、カメラマン、ヘアメーク、音声、照明などのスタッフを動員する必要はないのだ。